特殊神事『鎮火祭』
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鹿島御子神社では、特殊神事として『鎮火祭』という神事が催行されている。この神事には祭神である天足別命に関する伝説がある。 天足別命が当地にやってきた時、稚児沼というところへ仮宮を設けた。当時、現在の鹿島地方では「大六天魔王」と名乗る賊徒が暴れまわっていた。 ある朝未明、大六天魔王ら賊徒が天足別命の仮宮を襲い放火した。天足別命は直ちに「火伏せの神事」を行なって、四方八方へと広がる猛火を速やかに鎮めた。そのとき、鹿島大神の神使である鹿が多数現れ、川から濡れた笹を口に咥えて持ってきて、天足別命の仮宮を水で潤して火が再び燃えあがることに備えたのだという。その後、天足別命の御神徳によって、大六天魔王ら賊徒は平定され、二度と横行することはなかったと伝わる。 鎮火祭は、上記の伝説に基づく神事である。 毎年1月14日:「火伏祭」午後6時、法被姿の若者たちが町の大通りの民家一軒一軒に「火伏せー、火伏せー」と唱えながら神霊の宿る御神水をかけて走り抜ける。 翌日1月15日早朝:「天燈籠祭」御神歌や神楽の奉納が行われ、天燈籠を掲げて旧社地で神事が催行される。旧社地からの帰り道、神職は沿道の氏子たちから浄水をかけられる。その後、神官は冬の寒さで衣冠が氷結したまま社殿へと戻り、天下の罪穢を祓い清め、一年の火伏せの祈願と氏子崇敬者の諸祈願を行うという。
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