特殊化の利点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/24 05:33 UTC 版)
受粉の効率 送粉者への報酬、一般に花蜜・花粉または両方、時としては精油・香り成分・蝋などを生産するには、植物にとって負担がかかる。花粉は比較的多くの窒素化合物を含むため負担が多く、花蜜はそれよりも負担が少ない。植物は最小限の報酬で最大の花粉媒介を求める。大きさ・体形・行動に応じて送粉者の送粉効率は異なり、花の特徴は受粉効率に影響を及ぼす。オダマキの花に改変を加えてスズメガに提供する実験では、花の向き・形・色が訪問率または花粉運搬に影響を及ぼすことが判明した。 送粉者の恒常性 効率的に送粉を行うためには、他の植物を無視して一つの植物種のみに送粉者が集中することが、その植物種にとっては最良である。そうでない場合は、花粉は無駄に他の植物種の柱頭についてしまう。動物にとっては当然のことながら、送粉は目的ではなく、可能な限り速く餌を集めているに過ぎない。しかしながら多くの送粉者は、利用可能な別の花を無視して一つの植物種の花を訪れる恒常性を示す。なぜ動物は、別種の次の花への移動よりむしろ特定の植物種を専門としなければならないのであろうか? 送粉者の恒常性はアリストテレスも認識していたが、動物とっての利益は完全には判明していない。最も一般的な仮説は、「送粉者が特定の種類の花を取り扱うことを学習する必要があり、送粉者が異なる種類の植物について学ぶ能力には上限がある」というものである。すなわち、「送粉者が効率的に報酬を得ることができるのは1種類の花からだけである」と言う仮説である。
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