特殊な葉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 14:41 UTC 版)
根生葉(根出葉、根葉) 地面に広がって立ち上がっていない葉をいう。セイヨウタンポポ等。 ロゼット葉(座葉) 根生葉がやや平らに螺旋状に広がるものをいう。冬の根出葉がこの姿を取るものが多い。多年草や越年草に見られる。オオマツヨイグサ等。 葉鞘(ようしょう) 葉の基部は茎に巻き付いていて、茎に見えるもの(ツユクサ、ヨシなど)。 偽茎(ぎけい) 地下茎から伸びた葉鞘が、地上で何重にもなっていて茎に見えるもの(ミョウガの食用部分、ネギの食用部分の根元側の同心円になっている部分など)。本物の茎は地下にあり短い場合が多い。 単面葉 葉身が普通の葉(両面葉)の裏側に相当する組織しかもたない葉(ネギ、アヤメなど、一部の単子葉植物がもつ)。なお、単面葉でも、葉の基部(葉鞘)では表側と裏側をもつ。裏側しかもたないのは、葉の葉身部分。普通の葉は、芽のうちは巻いていて裏側が見えている。単面葉の場合、巻いたままの葉がそのまま大きくなったと思えば、葉の裏側だけが見えているのが理解できる。ただし正確には、裏側だけが見えているというのは間違いで、裏側しかもたず表側は存在しない。例えば、ネギの葉身(葉の緑色の部分)は単面葉であるが、成熟したネギの葉身は筒状になるため、筒の外側が裏面、筒の内側が表面と誤解される場合があるが、実際は、内部が細胞で詰まった棒状の葉が、成熟前に葉の内部の細胞が死ぬことで筒状になる。つまり外側は裏面であるのは正しいが、筒の内側は表面ではない(あえていうなら葉の内部)。また、アヤメの葉身は葉が折りたたまれて表側がくっついたような形をしているが、実際は表側がくっつくことで単面葉ができる訳ではなく、裏側しか持たない葉が扁平に成長して、あたかも表側がくっついたような形になる。 苞 花や花序の下にあり、つぼみを包んでいた葉。 子葉 植物が種子から芽を出して、初めに出る葉のこと。双葉ともいう(紛らわしいことであるが子葉が1枚でも「双葉」)。子葉が1枚の単子葉植物と2枚の双子葉植物がある。但し、双子葉植物の中には、子葉が地中にあるもの(ソラマメなど)、子葉が1枚のもの(ニリンソウなど)といった変わったものもある。 葉針 葉が刺に変化したもの(サボテン類など)。 捕虫葉 食虫植物に見られるような虫を捕らえる機能のある葉。 多肉葉 多量の水分を含んで厚くなった葉のこと。多肉葉を持つ植物は乾燥に強い植物が多い(マツバボタン、ポーチュラカなど)。
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