特徴による種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 17:43 UTC 版)
楼門(ろうもん)- 2階建てで1重目には縁のみを持ち、最上重に屋根を持つもの。楼門は、二階造りの門のことで、二重門も本来は楼門といった。2重の屋根のあるものとそうでないものがあるため現在は、楼門と二重門に分類されている。 二重門(にじゅうもん)- 2階建てでそれぞれの階に屋根をかけたもの。 棟門(むなもん)- 門柱2本に切妻の屋根をかけたもの。控柱を持たない。 櫓門(やぐらもん)- 上部に櫓を持つ城門。城の石垣上に多門櫓や多重の櫓を渡したもの、または、楼門状に造られたもの。中世には、板を立てた囲いのある台を門の上に載せたようなものが建てられていた。 薬医門 (やくいもん)- 鏡柱から控え柱までを取り込む屋根を持つ。本来は公家や武家屋敷の正門などに用いられたが、扉をなくして医家の門として用いられたのでこの名前がある。 冠木門(かぶきもん)- 門柱に貫(ぬき)をかけたもの。江戸時代には櫓門や楼門ではない平門を指していたが、明治以降は屋根を持たない門を指すことが多い。 高麗門 (こうらいもん)- 切妻屋根を持ち控柱に小屋根を設けたもの。文禄・慶長の役の行われた1590年代に城門として造られた。薬医門を簡略化した門である。 上土門(あげつちもん)- 棟門の屋根を勾配の少ない屋根(陸屋根)にして土を上げたもの。揚土門とも。代表例として重要文化財の西園院上土門があるが、現在は土はなく檜皮葺。 唐門(からもん)- 平安時代後期に見られるようになったものと見られている。開口正面に向かって左右に唐破風のあるものを平唐門(ひらからもん)、前後にあるものを向唐門(むこうからもん)という。向唐門は四脚門であることが多い。 長屋門(ながやもん)- 長屋の中間部を門としたもの。 埋門(うずみもん)-土塁、塀、石垣などの下部をくり抜いたようにして造られている門。主に、裏門として用いられた小さな門。 隠門(かくれもん)とも呼ばれる。 楼門(国宝、奈良県 般若寺) 二重門(国宝、京都府 知恩院三門) 櫓門(京都府 舞鶴城) 薬医門(京都府 御香宮神社) 冠木門(兵庫県 篠山城) 高麗門内側(愛媛県 松山城戸無門) 高麗門内側(兵庫県 赤穂城厩口門) 高麗門表側(東京都 江戸城外桜田門) 向唐門(国宝、滋賀県 宝厳寺) 平唐門(国宝、京都府 三宝院) 長屋門(兵庫県 柏原藩織田家旧邸) 埋門(兵庫県 姫路城) 上土門
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