特例納付保険料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/18 01:45 UTC 版)
「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」の記事における「特例納付保険料」の解説
特例対象者を雇用していた事業主が、雇用保険に係る保険関係が成立していたにもかかわらず保険関係成立の届出をしていなかった場合には、当該事業主(対象事業主)は、保険料の徴収時効成立後も保険料を納付することができる。これを特例納付保険料という(第26条1項)。「特例対象者」とは事業主が被保険者資格取得の届出を行わなかったことにより雇用保険に未加入とされた者で、被保険者資格取得の確認があった日の2年前の日よりも前の時期に賃金から雇用保険料が控除されていたことが確認された者について、当該2年を超えてさかのぼって雇用保険を適用する制度(雇用保険の遡及適用の特例)の対象者である。なお被保険者資格取得届の届出がなされなかった事実を知っていた者は除く。また賃金から雇用保険料が控除されていたことが明らかでない者についてはこの取り扱いはない。 特例納付保険料の額は、対象事業主が納付する義務を履行していない一般保険料の額(雇用保険率に応ずる部分の額に限る)のうち、当該特例対象者に係る額に相当する額として厚生労働省令で定めるところにより算定した額(基本額。規則第56条)に厚生労働省令で定める額(加算額。規則第57条)を加算した額となる。なお「基本額」は以下の算式で求め、「加算額」は基本額の10%である。 {(遡及適用対象期間のもっとも古い日から1ヶ月に支払われた賃金額)+(遡及適用対象期間の直近1ヶ月に支払われた賃金額)}/2×遡及適用対象期間の直近の日の雇用保険料率×遡及適用対象期間に係る月数(1月未満切捨て) 厚生労働大臣(都道府県労働局長に権限委任)は、やむをえない事情がある場合を除き、対象事業主に対して、特例納付保険料の納付を勧奨しなければならない(第26条2項)。勧奨を受けた対象事業主は、特例納付保険料を納付する旨を、厚生労働大臣(都道府県労働局長に事務委任)に対し、書面により申し出ることができる。この申出を受けた政府は、特例納付保険料の額を決定し、期限(通知を発する日から起算して30日を経過した日をその納期限とする)を指定して、これを対象事業主に通知するものとされ、対象事業主は当該期限までに特例納付保険料を納付しなければならない(第26条3~5項、施行規則第58条、59条)。
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