物理学的特性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/02 00:04 UTC 版)
Sup35pのC末端には、翻訳終結活性をつかさどる領域(Cドメイン)がある。一方、N末端領域にはアミロイド形成の原因となる領域がある(Nドメイン)。Sup35pの真ん中には「Mドメイン」と呼ばれる中間領域があるが、その機能は不明である。スーザン・リンドキストは、NドメインやMドメインの機能を調べるためにNやMを含まないSup35p変異体を発現する株を構築した。 Sup35pは201アミノ酸から成る蛋白質である。CドメインにはPQGGYQQ-YNという5回完全(+1回不完全)オリゴペプチド反復配列がある。この遺伝子の改変変異体を用いた実験によれば、このリピートの反復回数が増えると、[PSI+]の発生が促進されるという。実際、この反復配列を2回追加した変異株においては、[psi-]から[PSI+]の変換が5,000倍促進された。PMN2という優性的変異体では、2回目反復配列内のグリシンがアスパラギン酸に置換されており、[PSI+]が維持不能になる表現型を引き起こす。 Nドメインには43%という高い割合で、グルタミンとアスパラギンが含まれている。通常の酵母の蛋白質ではこれらのアミノ酸がたったの9%しか含まれていないことを考えると、この数値は非常に高い。Nドメインは114アミノ酸から成り、プリオン形成領域(PrD)という名前が充てられている。Sup35pの過剰発現は[PSI+]の発生を引き起こす。 NMドメインおよびCドメインは、ともにSup45pとの結合部位を有している。また、Sup35pはSup45pと結合するため、[PSI+]の細胞ではSup45pの蛋白質もSup35pと同様に凝集する。
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