物理学的解釈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 10:13 UTC 版)
光ピンセットは、強く集光されたレーザー光を用いることにより、ナノメートルからマイクロメートルオーダーの誘電体微粒子を移動できる。多くの場合、レーザー光は顕微鏡用対物レンズを用いて集光される(光ピンセット装置の土台として落射型蛍光顕微鏡が用いられることが多い)。集光された光の焦点付近では、強大な電場勾配が生じる。このとき誘電体微粒子は、電場の一番強い部分へ引き寄せられる。これに加えて、レーザー光の伝播方向へも力が働く。 光ピンセットは極めて精密な構造をもつ。扱える微粒子はナノメートルからマイクロメートルオーダーであり、DNA・タンパク質・酵素といった巨大分子を一個単位で扱うことができる。 なお、扱われる微粒子はその中心にトラップされるとは限らない。現実的には微粒子の形状がいびつであったり、内部に誘電率の偏りがあるためである。 捕捉された微粒子の挙動に関する説明は、捕捉された粒子の粒径に大きく左右される。粒径が用いるレーザー光の波長より大きい場合、簡単な光線光学(幾何光学)的な取り扱いで十分である。そうではなく、波長に比べて微粒子が小さい場合には、微粒子は電磁場中にある小さな双極子として取り扱う必要がある。
※この「物理学的解釈」の解説は、「光ピンセット」の解説の一部です。
「物理学的解釈」を含む「光ピンセット」の記事については、「光ピンセット」の概要を参照ください。
- 物理学的解釈のページへのリンク