熟成終了後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 04:38 UTC 版)
「スコッチ・ウイスキー」の記事における「熟成終了後」の解説
熟成を終えたウイスキーは加水、後熟(マリッジ)、低温濾過という過程を経て瓶詰めされ、出荷される。加水によりウイスキーのエタノール濃度は37%ないし43%に調整される。加水しない場合もあり、これをカスクストレングスという。 後熟はウイスキーを数か月ないし1年間貯蔵することをいう。後熟が行われる前に、異なる樽で熟成させたウイスキーは混合(ヴァッティング)されるが、混合を行わなかった場合シングルカスクとなる。ブレンデッドウイスキーの場合、モルトウイスキーとグレーンウイスキーをそれぞれ個別に混合させた上で両者を混合させ、樽に入れる。後熟により、エタノールの刺激的な味にまろみが出る。なお、科学的には水とエタノールの混合液はまたたく間に均一化・安定化すると考えられており、後熟に数か月ないし1年間をかけることは意味がないと考えられる。この、科学的に意味がないはずの工程の存在は「後熟にひそむ謎」と呼ばれている。 低温濾過(チルドフィルター)は、加水によりウイスキーのエタノール濃度が薄められることにより成分の一部が析出することを防ぐため、0℃近い状態で濾過を行い析出が予想される成分を除去する工程で、成分の析出によるウイスキーの濁りを指摘する消費者の声に応える形で行われている。ただしこの時濾過されるのはウイスキーの香味を構成する成分である。低温濾過を行わないスコッチ・ウイスキーもある。 瓶詰めは、蒸留所やその親会社により行われる場合と、それらと関係のない商人が行う場合とがある。前者による製品をオフィシャル、または蒸留所元詰めという。後者の商人のうち、独自の保税貯蔵庫や瓶詰め施設をもち、蒸留所から樽ごと買い付けたウイスキーを商品化するものを瓶詰め会社またはボトラーズ・カンパニーといい、ボトラーズ・カンパニーによる製品をボトラーズ・ブランドという。一方、独自の施設を持たず、熟成までの工程を蒸留所に、瓶詰めをボトラーズ・カンパニーに委託するものをインディペンデント・カンパニーといい、インディペンデント・カンパニーによる製品をインディペンデント・ブランドという。
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