熟成年数を表す符号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 23:49 UTC 版)
ブランデーでは、ブレンドした原酒中で最も古いものの熟成年数を表す符号が一般に用いられている。ただし、これは製造国・製造元、コニャックやアルマニャック等の特定名称によって異なる。 ※出典により熟成年数の表示は様々で、ブレンドした新しい酒の熟成年数にもよるため、参考として記述(小泉武夫 講談社現代新書『酒の話』p.72による)。 1つ星 3 - 4年熟成させたブランデー。 2つ星 5 - 6年熟成させたブランデー。 3つ星 7 - 10年熟成させたブランデー。コニャック・アルマニャックの場合は、蒸留後最低でも3年を経た原酒を使用したものだけが表示可能。 VO very old (とても古いブランデー)。11 - 15年熟成させたもの。 VSO very superior old (とても優れた古いブランデー)。16 - 20年熟成させたもの。 VSOP very superior old pale (とても優れた古い澄んだブランデー)。20 - 30年熟成させたもの。 コニャック・アルマニャックの場合は、蒸留後最低でも5年を経た原酒を使用したものだけが表示可能。 それ以上のグレードになると、通常は下記の称号が与えられており、等級別に価格がさらに上がっていく。 VVSOP very very superior old pale (とてもとても優れた古い澄んだブランデー) ナポレオンクラス - XOクラス - エクストラクラス 44 - 45年(XO)、70年(エクストラ)熟成させたブランデー。extra old(特別に古いブランデー)。 コニャック・アルマニャックの場合、蒸留後最低でも7年を経た原酒を使用したもののみ表示可能。 コニャックやアルマニャックの場合、これらの称号は原酒が一定時間熟成されていなければ名乗ることは出来ないよう全国コニャック事務局(BNIC)や全国アルマニャック事務局(BNIA)において厳しく規制されているが、それ以外のブランデーについてはラベル表示に関して何ら規制はない。このため、同じナポレオンと名乗っていてもメーカーによっては価格に10倍以上の開きがあり、品質も雲泥の差がある。たいてい無名のブランドのナポレオン等は2000円前後で箱無しや粗末な瓶に入って売られている場合が多いが、これらの多くは上記の規制のないフレンチブランデーであり、必ずしも長期熟成を経たものではないので注意が必要である。総じて高級品ほど瓶や箱が贅沢にできており、味もスムーズである。プレミアムコニャックの場合5万円以上して、数十年熟成されたものもある。 コニャック・アルマニャックがフランスの酒にも関わらず等級名が英語であるのは、過去の、特に18世紀の、重要な輸出相手国がイギリスであったことによる。
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