無限アーベル群とは? わかりやすく解説

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無限アーベル群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 22:34 UTC 版)

アーベル群」の記事における「無限アーベル群」の解説

もっとも単純な無限アーベル群は無限巡回群 Z である。任意の有限生成アーベル群 A は Z の適当な r 個のコピー有限個の素冪位数巡回群直和分解可能なアーベル群との直和同型である。この場合分解一意はないけれども、上記定数 r は一意定まり(A の階数呼ばれる)、分解現れる素数冪全体として有限巡回直和因子すべての位数一意的に決定する。 これと対照に、一般の無限生成アーベル群分類は完全とは程遠いものしか知られていないことを理解しなければならない可除群任意の自然数 n と a ∈ A に対し方程式 nx = a が常に解 x ∈ A を持つような群 A)は完全な特徴づけ知られている無限アーベル群の重要なクラス一つである。任意の可除群は、有理数加法群 Q といくつか適当な素数 p に対すプリューファー群 Qp/Zp を直和因子に持つ直和同型で、それぞれの種類直和因子の数は濃度の意味一意決定される。さらに言えば可除群 A が何らかのアーベル群 G の部分群となるとき、A は G における直和補因子を持つ(すなわち、G の適当な部分群 C で G = A ⊕ C なるものがとれる)。したがって可除群アーベル群の圏における入射対象であり、逆に任意の入射アーベル群は可除である(ベーア判定法英語版))。非可除部分群持たないアーベル群は被約 (reduced) であるという。 対極的性質を持つ無限アーベル群の重要な二つクラスに、ねじれ群英語版)とねじれのない群(英語版)がある。例えば、加法群の商 Q/Z はねじれアーベル群の、加法群 Q はねじれのないアーベル群それぞれになっているねじれ群でもねじれのない群でもないアーベル群混合群 (mixed group) という。アーベル群 A とその(最大ねじれ部分群 T(A) に対して剰余群 A/T(A) はねじれがない。しかし一般にねじれ部分群は A の直和因子とは限らない(つまり A は T(A) ⊕ A/T(A)同型でない)から、混合群の理論ねじれ群とねじれのない群の理論単純に合わせればよいという話にはならない

※この「無限アーベル群」の解説は、「アーベル群」の解説の一部です。
「無限アーベル群」を含む「アーベル群」の記事については、「アーベル群」の概要を参照ください。

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