無許可植樹による遺構破壊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 15:52 UTC 版)
2018年2月〜3月にかけて小牧山を管理する小牧市みどり公園課が、大手道周辺のソメイヨシノの老木など約250本を「倒木の恐れがある」として伐採。ヤマザクラやイロハモミジなどの苗木70本を植えていた事が同年6月6日に発覚した。文化財保護法に基づき本来であれば史跡の現状変更には文化庁の認可が必要だが、同課は伐採に関しては小牧市教育委員会には申請していたが、植樹やそれに伴う掘削に関しては「4年前に樹木を更新していく方針を示していたので問題ないと考えた」「約30cm掘削したが、軽微なものとして対応した」として何の申請もしていなかった。また同市教委もこれは「日常の樹木管理の一環だ」と主張した。 これに対し文化庁は「植樹は作業の詳細や図面などを示して許可を申請するのが一般的」と指摘。また愛知県教育委員会は「遺構への影響がないと独断で判断すべきでなかった」と非難した。さらに奈良大学の千田嘉博教授は「明らかな国史跡の毀損行為で管理者である小牧市が自ら史跡を毀損した責任はきわめて大きい」「史跡では厳密な調査を行い、文化庁の指導のもと専門家による委員会が審議伐採する木を決定し、植栽計画を立てるのが原則」「小牧市みどり公園課の行為は不適切で、絶対にくり返してはいけない。市教委も遺構を破壊した植樹を「日常の樹木管理の一環」とするなら、とんでもない」「植樹によって毀損した小牧山城の遺構は、永久に失われた。猛省して史跡を大切にする整備・活用をしてほしい」と強い調子で非難した。 これに対し同年6月19日に山下史守朗小牧市長は市議会の一般質問で「許可を得る現状変更とは認識していない」と非難を一蹴。しかし「文化庁の判断を待ちたい」などと主張した。
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