火力発電所の復活・増設
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 08:16 UTC 版)
「東日本大震災による電力危機」の記事における「火力発電所の復活・増設」の解説
各電力会社などでは電力不足対策として、老朽化などの理由で休止していた発電設備を再整備し再び稼働させる措置や、既存発電所敷地内でのガスタービン・ディーゼル発電設備の増設などを行い、一部は2012年夏に向けての稼働を目指して整備が進められている。 東京電力 東京電力は、運転休止中だった横須賀火力発電所3号機(35万kW)を6月19日から、4号機(35万kW)を7月6日からそれぞれ復活させ再運転させている。 4月下旬より順次ガスタービンの増設計画を発表した。横須賀火力発電所では、4月24日から14.4万KWの2号ガスタービン、6月2日から3万kWの1号ガスタービンを運転させている。また千葉火力発電所内では33.4万kW3基の設置を計画し、9月9日までに2基が運転開始し、もう1基は2012年7月に運転開始する予定である。更に5月16日、常陸那珂火力発電所の敷地内に、ガスタービン発電機2基とディーゼル発電機計185基の合計約25万kWの緊急増設を発表、7月29日までにすべて運転開始した。 さらに同年7月末にかけて、横須賀火力発電所内に緊急設置電源として13台の移動ガスタービン発電機(合計32.96万kW)を設置した。大井火力発電所内で8月15日から12.8万kW、9月22日から8.1万kW、川崎火力発電所内で8月10日から12.8万kWがそれぞれ運転開始した。うち12.8万kWのガスタービン2基はタイ発電公社(EGAT)から東京電力へ無償貸与である。 東北電力 東北電力も運転休止中だった東新潟火力発電所港1号機(35万kW)を3月下旬から整備、6月1日に復活させた。常磐共同火力の勿来発電所では長期計画停止中の6号機(17.5万kW)を2012年4月21日から再稼働している。 新潟火力発電所内にガスタービンの増設を行い7月30日から10.9万kWの5号機、12月18日から3.4万kWの6号機、東新潟火力発電所内でも同様に8月26日から5.38万kWの港3号系列機を、それぞれ運転している。なお2011年9月末の計画ではさらに、秋田火力発電所内に33.3万kWの5号機、東新潟火力発電所内に33.9万kWの5号機を増設し2012年7月までに運転開始した。 火力発電所のリスク 復活した発電所の中には老朽化の進んでいる設備が多く、2011年7-8月に国内の火力発電所がトラブルにより停止する事例が17件発生するなどリスクもある。2012年2月3日早朝には節電要請期間中であった九州電力管内で、定格229.5万kWの新大分火力発電所が全停止したが、前日に九州電力と隣接する四国電力管内で寒波による需要急増で供給予備率3%を記録していたことから、予期せぬ停電の可能性があった。
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