漁法の改良
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/10 07:31 UTC 版)
科学者や漁師たちによって、望まない生物の捕獲を減らすための方法が開発されてきた。現在では主に二つのアプローチが考えられている。 一つは、混獲率が高い漁場での漁業を禁止することである。そのような漁場は、永久的、季節的に、あるいは混獲が記録された特定の期間の間だけ閉鎖される。一時的な漁場の閉鎖は、小さいサイズの魚や、対象としていない生物がよく漁獲されてしまうトロール底引き漁業においては、よく行われることである。 もう一つは、漁具を変更・改良することである。最も単純な方法の一つに、漁網の網目を大きくすることがある。これによって、対象よりも小さな個体は網から脱出できるようになる。また、網から対象でない生物を脱出させる、BRD(Bycatch Reduction Device)とか、カメ等の大型生物用のTED(Turtle Excluder Device)といった装置が開発され、使用が一部の地域では始まっている 。 延縄漁は、混獲の危険性のためにいくつかの地域では規制されている。また、混獲を防ぐ工夫も次に挙げるような物がいくつか行われ、一部で成功している。 延縄を早く沈ませるために、漁具を重くする 吹き流し状のテープをくくりつけて鳥を怖がらせ、縄を配置している途中に寄ってくるのを防ぐ 縄の配置を夜に、小さい船で行う(鳥がよってくるのを避けるため) 縄の配置中に餌を撒かない しかしながら、これらの対策は、それほど多くの混獲を減少させている訳ではない。2006年の5月には、ハワイでの延縄カジキ漁が、解禁から数ヶ月しか経たないうちに中止されたが、これは針などの漁具に混獲防止策が施されていたにもかかわらず、アカウミガメの混獲が非常に多かったためである。
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