源流域~高ライン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 01:26 UTC 版)
トーマ湖から流れ出るライン源流はフォルデルライン(前方ライン)と呼ばれ、70キロメートル下流のライヘナウで、南のラインヴァルトホルン山から流れてくるもう一つの源流、ヒンターライン(後方ライン)と合流する。ここまでがライン川の源流域といえる。トーマ湖からライヘナウまでの70キロメートルで標高差は1,700メートルあり、ここまでの流れは非常に激しい。ここまでは全域がスイスのグラウビュンデン州に属する。 ライヘナウで合流してからはラインはほぼ北に流れ、グラウビュンデン州の州都・クールあたりで北へと向きを変える。クールからはザンクト・ガレン州とグラウビュンデン州の州境をなしながらバート・ラガッツを通り、やがて東岸はリヒテンシュタイン公国となる。リヒテンシュタインの首都ファドゥーツを抜け、オーストリア領フォアアールベルク州とスイス領ザンクト・ガレン州の国境を一部なした後、ボーデン湖へと流れ込む。ここまでのラインをアルペンラインと称する。 ボーデン湖は、広い上湖と小さな下湖に二つに分かれている。上湖は東をオーストリアのフォアアールベルク州、北をドイツのバイエルン州とバーデン・ヴュルテンベルク州、南をスイスのザンクト・ガレン州とトゥールガウ州に囲まれている。湖畔にはドイツ領のフリードリヒスハーフェンやリンダウ、オーストリア領のブレゲンツといった都市が点在する。上湖の西端にはドイツ領のコンスタンツ市があり、ここで細い水路となって西へと流れだし、まもなく下湖へと流れ込む。コンスタンツは水路の南岸にあり、この地域だけドイツ領がライン南岸へと張り出す格好となっている。 いったんボーデン湖に流れ込んだライン川は下湖西端のシュタインから流れ出し、バーゼルへと向かう。バーゼルまでの区間を高ラインという。この区間のほとんどは北岸がドイツ領のバーデン・ヴュルテンベルク州に属し、南のスイスは上流からトゥールガウ州、チューリヒ州、アールガウ州、バーゼル農村州に属し、ほとんど両国間の国境をなすが、スイスのシャフハウゼン州だけはラインの北岸に位置し、スイスが北岸に大きく食い込んでいる。この区間の中央部に位置するスイスのシャフハウゼンには、ライン本流唯一の滝であるライン滝がある。このライン滝より下流は海まですべて船舶の航行が可能であり、シャフハウゼンはライン滝による荷物の積み替え港として繁栄した都市である。
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