温泉施設建設問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/09 06:06 UTC 版)
2000年代、伊豆沼のほとりに民間の温泉施設の建設計画が持ち上がった。2005年(平成17年)12月、栗原市在住の男性から、県に温泉掘削許可を求める申請があった。その申請に対し、自然保護団体や地域住民は、温泉排水による環境破壊やラムサール条約に基づく国際的な責任を理由に、掘削の不許可を求めた。しかし県は、2006年(平成18年)3月24日に温泉掘削を許可した。その理由を「現在の温泉法では、掘削で地盤沈下や有毒ガス噴出等の『公益の侵害』が予想される場合にのみ不許可とでき、今回のような『温泉排水による環境汚染の恐れ』の場合は不許可の理由に当たらない」とした。その一方で「泉質が周辺の農業用水や生態系に悪影響を与える場合は、十分な排水対策を求めていく」ともした。 その後、自然保護団体などから県へ、掘削許可の取り消しとラムサール条約に基づくモントルーレコード(英語: Montreux Record)への記載を求める要請書が提出された。これを受け、県と栗原市・登米市は、環境省に対し問題解決に向け国として主体的な対応を取るよう要請した。 なお温泉掘削計画は、こうした反対運動もあり、以後計画実施の動きが無いまま2008年(平成20年)3月24日に掘削許可の期限切れを迎え、頓挫することとなり、反対運動を続けてきたWWFジャパンは「ガンの楽園は守られた」としている。
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