温度の定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 10:28 UTC 版)
歴史上様々な温度の定義があったが、現在の国際量体系における基本量に位置付けられる熱力学温度の定義は、温度(熱)平衡状態における系の内部エネルギーUを、体積を一定に保ってエントロピー Sで偏微分したものである。 (T=∂ U/∂ S)v。現時点で、非平衡状態での温度やエントロピーの定義は、本来の意味で定義できないこともあり、途上段階である。 温度は非常に計りにくい物理量の一つである。温度は統計値であるから、低密度な物体や非常に狭い範囲を対象に計測するなど、分子数が少ない場合には統計的に値が安定せず意味が無くなること、非常に大量の分子の運動状態を一個一個観測することは現在の技術では不可能であり代わりに間接計測を行っていることに起因している。 温度を計測する方法としては、計測対象となる物体から放射される電磁波を計測する方法や、長い時間をかけて計測プローブを計測対象となる物体に接触させ温度(熱)平衡状態にさせてから計る方法がある。どちらの方法も、何らかの計測上の問題を抱えている。しかし、近年の高速温度測定装置では、対象物の大きさ数十マイクロメートル、測定時間は数ミリ秒程度で測定可能となっており、物理現象を捕らえる一つの手段としての有効性が向上してきている。
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