清書に関する内職商法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/02 09:29 UTC 版)
内職商法としての清書は、委託業者側が内職希望者(受託者)に継続して仕事を紹介するために必要であると称して、いろいろな名目の手数料を収受したり、機材や部材などを売り付ける悪徳商法の一種である。 受託者は契約の際、数万円程度の業務手数料・保証料などの名目の委託業者側への費用負担を求められる。契約後、原稿を渡され、それを指定された用紙に指定された形式で、手作業で書き写すのである。報酬は、出来上がった原稿をもとに出来高払いとされる。以上は典型例であり、負担金額が極めて高額に上る例もある。 実際には、手書き原稿の清書という需要そのものが寡少に過ぎず、この内職自体がもはや成立し難い。原著作者が手持ちのパソコン(ワープロ)で原稿を作成しメールで編集者宛て送信することにより、そもそも清書の必要が無い場合も近年増加した。原著作者が手書きに固執している場合でも、その原著作者が高名な文筆家であれば専属編集者が清書(パソコン入力)を受け持つのであり、原稿の秘密を守る観点からも、外部に秘密を持ち出すことになる業者経由での内職委託の出番はない。また、原著作者がさほど有名でない場合、手書き文字が悪筆であったり原稿用紙の用い方が常識に反しているなどの問題があると、書かれた文章内容に関わらず編集者によってボツ扱いにされることもある。清書させることによるコスト増大を避けるためであり、清書内職が成立し得ない所以である。 国民生活センターなどに寄せられた被害相談としては、契約上の報酬が支払われないという例が典型である。内職商法としての委託業者側は、業務手数料・保証料名目で納入された金銭を収益源としており、報酬がそれら事前負担金を上回ることはない。また、多くの内職商法に共通している事例として、まったく仕事を斡旋しないケースすら報告されている。 なお「清書内職」という内職商法は特定商取引法にいう業務提供誘引販売取引であり、法定書面の受領日から20日間のクーリングオフが認められる。被害防止のためには早期にクーリングオフを行うのが肝要といえよう。
※この「清書に関する内職商法」の解説は、「清書」の解説の一部です。
「清書に関する内職商法」を含む「清書」の記事については、「清書」の概要を参照ください。
- 清書に関する内職商法のページへのリンク