法人の州
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 04:39 UTC 版)
デラウェア州の会社法(デラウェア州会社法)は極めて著名である。他州に比べ、会社の設立や解散が容易で、多くの判例があるため、裁判が予測可能といった特徴を持つ。 そのため、州外で事業活動をする会社でも、同州に登記上の本社を置くことが多い(会社設立における法律回避を参照)。また、小さな州にも拘らず、ニューヨーク証券取引所で上場している会社の半数以上、フォーチュン500に載る会社の63%は、デラウェア州の会社法に準拠して設立されていると言われる。法人税で州歳入の5分の1が挙げられている。 例えば、世界最大の化学会社であるデュポンの米国法人、日本アイ・ビー・エムの親会社であるIBMワールド・トレード・コーポレーション(米IBMではない)、生命保険会社のアメリカン ライフ インシュアランスカンパニー(アリコ)の本社など、多くの有名企業がデラウェア州法により設立されている。 2016年4月の集計によると、人口89万7934人に対し、企業数は94万5326社も存在し、デラウェア州の人口数より企業数の方が多い。「法人税制やLLCの税制から判断すると、世界最悪のタックス・ヘイヴンである」とニューズウィークが指摘している。会社法など関係法制は、アメリカ合衆国連邦政府ではなくデラウェア州政府の権限であり、ペーパーカンパニーの代表名義は、弁護士等が多く、設立に実質所有者の情報は不要で州も把握できず、秘匿性が高い。 ウォルターズ・クルワー・グループが所有するニューキャッスル郡ウィルミントン市北オレンジ通り1209番地にある2階建ての建物内に31万社の本社登録があり、Apple、Google、ザ コカ・コーラ カンパニー、ウォルマート等の大企業が、登記上の本社や関係会社を置き、ヒラリー・クリントン、ドナルド・トランプもペーパーカンパニーを構えている。
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