没収財産の競売をめぐる不正を暴く
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/09 15:26 UTC 版)
「トマス・ゲージ (初代ゲージ子爵)」の記事における「没収財産の競売をめぐる不正を暴く」の解説
第3代ダーウェントウォーター伯爵ジェームズ・ラドクリフは1715年ジャコバイト蜂起に加担したことで1716年に処刑され、その遺産は息子ジョンが継承するものとされた。ジョンが息子のないまま死去した場合は3代伯爵の弟チャールズ・ラドクリフ(英語版)が継承するものとされたが、チャールズも蜂起に加担したことで私権剥奪されており、財産継承の権利がなかった。そのため、チャールズの財産に対する残余権(チャールズが財産を継承する場合、彼の代わりに財産を得る権利)が競売にかけられることになったが、ダーウェントウォーター伯爵の財産が約20万ポンドと莫大だったため、その財産を手に入れようとする者に狙われることになった。具体的には庶民院議員のデニス・ボンド(英語版)とジョン・バーチ(英語版)であり、2人は1716年に庶民院から選出され、蜂起に加担した人物から没収した財産の売却担当者になった。2人は1723年にチャールズの財産に対する残余権を競売にかけ、その手続きを不正に行うことで自分の息のかかった人物(スミス氏)に落札させた上、契約書を改竄して残余権だけでなく復帰権も手に入れた。しかし、1731年末に3代伯爵の息子ジョンが死去して、ラドクリフ家の財産がスミス氏の懐に転がり込むと、ゲージ子爵は庶民院による調査を主導し、ボンドとバーチの不正が露見した。これにより競売は無効とされ、ボンドとバーチは庶民院から追放された。ゲージ子爵はこの功績により1732年3月31日に庶民院全体から感謝され、1735年の議会立法で2,000ポンドを与えられた。
※この「没収財産の競売をめぐる不正を暴く」の解説は、「トマス・ゲージ (初代ゲージ子爵)」の解説の一部です。
「没収財産の競売をめぐる不正を暴く」を含む「トマス・ゲージ (初代ゲージ子爵)」の記事については、「トマス・ゲージ (初代ゲージ子爵)」の概要を参照ください。
- 没収財産の競売をめぐる不正を暴くのページへのリンク