民族的観点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 14:15 UTC 版)
中国本土は、しばしば漢民族と関連づけられる概念である。漢民族は中国最大の民族集団であり、その民族性の中核には重要な要素として中国語がある。 しかし、現代における漢民族の分布は、清代の十八省の領域とはあまり一致しない。中国南西部において、例えば雲南省、広西チワン族自治区、貴州省は、明を含め代々の漢民族王朝の領域であり、清代の十八省に含まれていた。ところがこうした地域では、チワン族、ミャオ族、プイ族といった漢民族以外の民族集団が、人口を伸ばしつつある。これに対し、清代末期の「闖関東」以来奨励され続けてきた漢民族の入植拡大の結果として、満洲(中国東北部)のほとんど全域や、内モンゴルの大部分、新疆の多くの地域、チベットに散在する一部地域で、漢民族は多数派となっている。 民族としての漢民族は、中国語話者と同義ではない。漢民族ではない中国の民族集団でも、回族や満洲族、土家族、シェ族の大部分は基本的には中国語しか話さないが、自らを漢民族とみなすことはない。中国語自体も複雑なものであり、相互意思疎通性を基準にして分類を試みるなら、単一の言語であるというよりは関連のある言語の一族とみなすべきものである。 なお、台湾の人口の98%は公式に漢民族と分類されているが、その大部分は先住民の血統を引いている。いずれにせよ、台湾を、中国本土の一部、あるいは中国の一部とみなしてよいかどうかは、それ自体が議論のある主題である。詳細は、台湾の歴史を参照されたい。
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