民族的・文化的権利、人権に関して
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 13:45 UTC 版)
「コソボ地位問題」の記事における「民族的・文化的権利、人権に関して」の解説
コソボ独立に賛成の立場からは、包括的解決案はセルビアの立場を十分反映していると主張されている。同案の下では、セルビア系住民の安全や人権、セルビア文化遺産は保護され、またコソボは国際的監督下に留まるとされる。独立宣言をしたコソボの政府も、包括的解決案に基づく憲法を準備し、また引き続き国際的監督を受け入れる意思を表明している。 そのため、コソボ独立によってセルビア人の権利が侵害されることはないとしている。 これに対して、独立に反対の立場からは、コソボのセルビア人に対する保護は十分ではないと主張されている。コソボを脱出したセルビア系難民の帰還は進んでいない。また、コソボに留まったセルビア人に対する脅迫や嫌がらせは相次いでおり、セルビア人の身辺に対する爆発物の設置や殺人、拉致事件も少なからず発生している。また、こうした状況に対するコソボ当局の対応は十分とはいえないと批判されている。そのため、セルビア系住民の人権保護を定めた国連安全保障理事会決議第1244号は、完全に履行されているとは言えないとしている。 他方で、アルバニア人の人権および文化的権利はすでに国連決議第1244号に基づくコソボの暫定国連統治によって守られている。さらに、セルビア政府もコソボに「自治以上、独立未満」を与える用意があるとしている。また、国家主権を覆すような民族自決は、国連で認められた権利ではない。そのため、独立反対派からは、このような立場からコソボの独立の正当性を主張することはできないとしている。
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