民族的な均一性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 05:29 UTC 版)
スロベニアはユーゴスラビア構成国の中でも最も民族の均一性が高い国であった(現在もそうである)。スロベニアにおけるスロベニア人の割合は90%以上であると見られている。これはクロアチアにおけるクロアチア人の割合が75%程度、セルビアにおけるセルビア人の割合が65%程度だった事を考えると極めて高い水準であったと言える。またセルビアは次々とユーゴスラビアから独立を宣言する国に対して、その国のセルビア人保護を名目に介入していったが、スロベニアにはセルビア人が3%程度しかいなかった。これはセルビア人が国内の10%以上の人口を占め、彼らがクロアチア紛争のキーマンとまでなったクロアチアの場合と比べてみても大きな違いであるといえる。ましてやボスニア・ヘルツェゴビナの様に、国内の諸民族(セルビア人、クロアチア人、ムスリム人)のどれ一つとして過半数を得られなかったケースと比べてみれば雲泥の差であると言える。 民族的な均一性の高さは、スロベニア人として国内世論を纏め上げるのに大きなアドバンテージとなった。戦争がはじまってからも、国内の非主流派勢力であるセルビア人を中心とするユーゴスラビア軍は積極的に支援されず、結果として戦闘が短期間で終わった要因ともなっている。
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