歴史・配備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/30 01:08 UTC 版)
「アメリカ海兵隊下士官刀」の記事における「歴史・配備」の解説
アメリカ独立戦争以降、アメリカ海兵隊の将校および下士官は帯刀が義務付けられた。当時、海兵隊下士官は陸軍のそれと同一の軍刀を帯びていたとされるが、陸軍用軍刀の帯刀が制式に定められていたわけではなかった。1820年代半ば頃、海兵隊下士官向けの新形軍刀が製造された。これは陸軍用軍刀より刃渡りが短い彎刀で、真鍮鋳造の柄には鷲頭の飾りが着いていた。これとほぼ同時期の1826年、海兵隊士官向けにマムルーク刀(英語版)風の新形軍刀が採用された。現在でも海兵隊士官はこれに類似した軍刀を使用している。 1850年に陸軍が士官用軍刀としてM1850軍刀を採用して以来、海兵隊もこれを制式の士官用軍刀として配備してきた。しかし1859年、M1850軍刀を元に新形の海兵隊士官用軍刀が開発されたのである。同年、海兵隊下士官にもこれと類似した新形軍刀M1859下士官刀の装備が認められる。この時に採用された士官用軍刀と下士官用軍刀には細部に違いがあった。特に顕著な差異としては次のようなものがある。 士官用鞘の真鍮部品には金メッキが施されていたが、下士官用鞘には通常の真鍮部品が使われた。 士官用軍刀の握りの革巻きには鮫皮が使われていたが、下士官用軍刀には通常の黒革が使われた。 士官用鞘は3点(鯉口、鐺、中間)の真鍮部があったが、下士官用鞘は2点(鯉口、鐺)のみだった。 M1859下士官刀は海兵隊下士官の標準的な軍刀となり、南北戦争でも両軍によって使われた。以降、現在に至るまで細部の改良を加えつつM1859下士官刀は使用され続けている。1852年に海軍が採用したM1852海軍士官刀の方が先に採用されているものの、こちらは1900年代に再採用されるまでの廃止期間がある。そのため、M1859下士官刀はアメリカ全軍の装備のうち、間断なく運用されているものとしては、最も古く採用され、また最も長く運用されている装備である。
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