武洲丸とは? わかりやすく解説

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武洲丸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/31 16:46 UTC 版)

武洲丸(ぶしゅうまる)は、日之出汽船(現:NYKバルク・プロジェクト貨物輸送)が保有した貨物船である。1918年に進水し、初期は若葉丸の船名で佐藤商店が船主だった。太平洋戦争中の1944年9月25日徳之島から本土に疎開する民間人ら200人以上を乗せて航行中、アメリカ海軍潜水艦により撃沈されて乗船者の8割以上が死亡した。南西諸島からの疎開船のうち、対馬丸以外で潜水艦に撃沈された唯一の船である[4][注 1]


注釈

  1. ^ 航空機による被害としては、一心丸が撃沈されて50人以上が死亡した尖閣諸島戦時遭難事件がある。
  2. ^ 八幡丸級と合わせて逓信省D型標準船(船尾機関型)とも称されるが、非公式。
  3. ^ タカ808船団はマニラ方面から来た鉱石運搬船主体の船団を基隆で改編したもの。参加した船舶は、駒宮(1987年)によれば輸送船8隻と水雷艇「真鶴」以下の護衛艦5隻だが[12]第四海上護衛隊沖縄方面根拠地隊の戦時日誌によれば、輸送船29隻および「真鶴」以下護衛艦7隻となっている[13]。沈没したのは日安丸(日産汽船:6,197総トン)、日満丸(東亜海運:1,922総トン)、神天丸(大阪商船:1,254総トン)および昭慶丸(東和汽船:2,557総トン)の輸送船4隻。
  4. ^ 南西諸島からの疎開は、サイパンの戦いでの日本軍敗北をきっかけに1944年7月7日に緊急閣議決定され、奄美大島・徳之島・沖縄本島宮古島石垣島が対象地域だった。沖縄からの疎開だけで1945年3月上旬までに陸海軍船のべ187隻が投入され、対馬丸を失いながらも、8万人以上を無事に移送している[14]

出典

  1. ^ a b c 逓信省管船局(編) 『大正九年 日本船名録』 帝国海事協会、1920年、100、114、119頁。
  2. ^ a b c なつかしい日本の汽船 武洲丸”. 長澤文雄. 2023年5月4日閲覧。
  3. ^ a b 運輸通信省海運総局(編) 『昭和十八年版 日本汽船名簿(内地・朝鮮・台湾・関東州)』 運輸通信省海運総局、1943年、内地在籍船の部1164頁、アジア歴史資料センター(JACAR) Ref.C08050085600、画像35枚目。
  4. ^ a b c d 第162国会 衆議院予算委員会第五分科会 2005年2月25日川内博史衆議院議員および大槻勝啓政府参考人(厚生労働省大臣官房審議官)の発言。
  5. ^ a b c なつかしい日本の汽船 若葉丸型”. 長澤文雄. 2023年5月4日閲覧。
  6. ^ a b 岩重(2011年)、45頁。
  7. ^ a b 逓信省管船局(編) 『大正八年 日本船名録』 帝国海事協会、1919年、104頁。
  8. ^ 逓信省管船局(編) 『昭和二年 日本船名録』 帝国海事協会、1927年、103頁。
  9. ^ 逓信省管船局(編) 『昭和三年 日本船名録』 帝国海事協会、1928年、84頁。
  10. ^ a b 第二復員局残務処理部 『海軍指定船名簿』 1952年4月作成、JACAR Ref.C08050091700、画像7枚目。
  11. ^ Cressman (1999) , pp. 535-536.
  12. ^ 駒宮(1987年)、251頁。
  13. ^ 『第四海上護衛隊 沖縄方面根拠地隊戦時日誌』、画像4枚目。
  14. ^ 防衛庁防衛研修所戦史室 『沖縄方面陸軍作戦』 朝雲新聞社〈戦史叢書〉、1968年、614-616頁。
  15. ^ a b 大島防備隊 『自昭和十九年九月一日至昭和十九年九月三十日 大島防備隊戦時日誌』 JACAR Ref.C08030438800、画像52枚目。
  16. ^ 安藤(1992年)、「第4章 出港
  17. ^ 前橋(2004年)、83-84頁。
  18. ^ Cressman (1999) , p. 545.
  19. ^ 安藤(1992年)、「第6章 武州丸やられる
  20. ^ 『第四海上護衛隊 沖縄方面根拠地隊戦時日誌』、画像7、13-17枚目。
  21. ^ 前橋(2004年)、124-125頁。
  22. ^ 前橋(2004年)、109頁。
  23. ^ 前橋(2004年)、107頁。
  24. ^ 鹿児島県障害福祉課 「なごみの岬公園」『やさしい鹿児島スイスイなび』(2012年5月7日閲覧)
  25. ^ a b 「遺族ら平和へ誓い―徳之島町亀徳で“武州丸”慰霊祭」南海日日新聞』 2010年9月26日。


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