正多角形の作図
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/19 04:54 UTC 版)
折紙の数学において、藤田の公理は可能な7種類の折り方のうち6つを定義する。これらの折り方は任意の三次方程式を解く点の作図を可能とするために十分であることが示されている。ここから、N が3以上でかつ N = 2m3nρ(m, n は0以上, ρ は相異なるピアポン素数の積)という形をしていることが、N 辺の正多角形を折り出せるための必要十分条件であるということが導かれる。これはコンパス、定規、角の三等分器を用いて作図できる正多角形のクラスと同一である。なお、コンパスと定規のみで作図できる正多角形(通常の意味での作図可能な正多角形)は、その特別な場合で、n = 0 でありかつ ρ が相異なるフェルマー素数の積になっているものである。 1895年、ジェームズ・ピアポンがこのクラスの正多角形を研究した。ピアポン素数の名はこの業績に由来する。ピアポンはそれまでに作図された点に由来する係数を持つ円錐曲線を描く能力を加えることで、コンパスと定規による作図を上記とは異なるやり方で一般化した。彼が示したように、これらの操作で作図することができる正 N 角形は N のトーシェントが 3-smooth であるようなものである。素数のトーシェントは自身から1を引いて得られるから、ピアポンの作図手法により作られる素数 N はまさしくピアポン素数である。しかし、ピアポンは 3-smooth なトーシェントを持つ合成数の形については記述しなかった。後に Gleason が示したように、これらの数は先述した 2m3nρ という形のものに他ならない。 ピアポンでない(フェルマーでもない)最小の素数は11であり、正十一角形はコンパス、定規、角の三等分器(もしくは折り紙、円錐曲線)で作図することができない最小の正多角形である。これ以外の 3 ≤ N ≤ 21 である正 N 角形はどれもコンパス、定規、角の三等分器で作図することができる。
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