ピアポント素数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/01 23:13 UTC 版)
ピアポント素数(ピアポントそすう)またはピアポン素数[1](ピアポンそすう、英: Pierpont prime)は次のような形で表される素数のことである:
- 2u 3v + 1, ただし u と v は非負整数。
つまり p − 1 が 3-smooth[注釈 1] であるような素数 p である。
概要
数学者のジェームズ・ピアポントにちなんで名付けられた。彼はこれを円錐曲線を用いて作図できる正多角形の研究に導入した。
v = 0 のときのピアポント素数は 2u + 1 の形であり、これはフェルマー素数となる(u = 0 のときの値 2 を除く)。v が正ならば u も正でなくてはならない(3v + 1 は v > 0 のときは 2 以外の偶数であり素数ではないから)。したがって、2 でもフェルマー素数でもない全てのピアポント素数は、k を正の整数として 6k + 1 の形をとる。
ピアポント素数の最初の数項は
- 2, 3, 5, 7, 13, 17, 19, 37, 73, 97, 109, 163, 193, 257, 433, 487, 577, 769, 1153, 1297, 1459, 2593, 2917, 3457, 3889, 10369, 12289, 17497, 18433, 39367, 52489, 65537, 139969, 147457, 209953, 331777, 472393, 629857, 746497, 786433, 839809, 995329, ... (オンライン整数列大辞典の数列 A005109)
となる。
2024年現在[update]知られている最も大きいピアポント素数は 220498148 × 34 + 1 (6,170,560 桁)であり、これが素数であることは2023年6月に発見された[2]。
分布
ピアポント素数は無限に存在するか? | ![]() |

経験的には、ピアポント素数は特に珍しかったりまばらに分布しているわけではないようである。106 未満には42個あり、109 までに65個、1020 までに157個、10100 までに795個存在する。
ピアポント素数において代数的な因数分解からの制限はほとんどないため、指数が素数でなくてはならないというメルセンヌ素数の条件のような要求はない。したがって、
第2種ピアポント素数(英: Pierpont prime of the second kind)は 2u3v − 1 という形の素数である。これらは以下の値である。
- 2, 3, 5, 7, 11, 17, 23, 31, 47, 53, 71, 107, 127, 191, 383, 431, 647, 863, 971, 1151, 2591, 4373, 6143, 6911, 8191, 8747, 13121, 15551, 23327, 27647, 62207, 73727, 131071, 139967, 165887, 294911, 314927, 442367, 472391, 497663, 524287, 786431, 995327, ... (オンライン整数列大辞典の数列 A005105)
k 個の固定された素数 {p1, p2, p3, ..., pk}, pi < pj for i < j に対して、一般化ピアポント素数(英: generalized Pierpont prime)とは
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