欧州人権条約6条
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/02/13 07:47 UTC 版)
ジャージーにおける全ての裁判所は、欧州人権条約6条に基づき、「独立かつ不偏」であることが求められる。2000年には、欧州人権裁判所は「マッゴネル対連合王国(McGonnell v United Kingdom)」事件において、ガーンジーにおいて、代官または副代官が、法律案についての審議が行われたガーンジー議会(States of Guernsey)の議長(President)を務め、かつ、続いて、ガーンジー国王裁判所(Royal Court of Guernsey)において当該制定法が関係する事件について裁判官を務めることは、6条違反であるとの判断を下した。同裁判所は、当該代官が「主観的に偏向があった」ことを示唆するものはないとしつつ、このことが起きたという「事実のみ」で当該代官の不偏性に疑義を抱くに足りる旨を述べた。ジャージーにおける代官および副代官は、「マッゴネル」判決のような状況を回避するためには、単に、ジャージー議会(the States of Jersey)の議長を務めた際に審議がなされた制定法に関わる事件においては国王裁判所(the Royal Court)において裁判官を務めなければよい。現代官であるマイケル・バート(Michael Birt) 氏は、「我々はおそらく、我々の制度を改善し、『マッゴネル』判決にきっちりと遵うようにする必要がある」こと、および「誰かが私が議長を務めた制定法の連続する一覧を作成し続け、少なくとも、私が両当事者を呼んで異議を述べるつもりがあるか否かを検討させることができるようにすべきであろうこと」を認めた。ジャージー議会により設置されたカースウェル卿(Lord Carswell)を議長としてなされた近時の調査においては、ラビンダー・シング勅選弁護士(Rabinder Singh QC)から法律意見を得たが、そこでは同弁護士は「代官に関する現在の憲法上の取決めを変更すべき法的な理由はない。しかしながら、この趨勢が示唆するのは、歴史の潮流は改革に向かっていることと、その法的立場は10年以内に異なるものとなるであろうことである」との見解を表明したカースウェル卿の調査の報告書は、シング氏の意見は「代官が議会の議長をやめるべき追加的な理由を提供する」ものと結論づけている。ジャージー議会は、カースウェル報告書のこの側面は受入れていない。島の多くの名士は、いかなる変化も必要でも望ましくもないと確信している。
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