次の世はヒマラヤ越える鶴になる
作 者 |
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季 語 |
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季 節 |
冬 |
出 典 |
ふたり |
前 書 |
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評 言 |
「登山大好き」だった少年に歳月が流れた。冬晴の窓から見える山は静寂。暫く眺めている。目を閉じれば遠いとおいヒマラヤが目の当たりに聳えてくる。最近まで登った、山々も、懐かしく、ゆっくりと透明な時間に身を置いている。 ふたりで見いだす俳句の風景は風景として、別にひとりのやさしい顔がある。男のロマンというしかない。かつて壁にぶつかった日々をとかしてゆく。鶴は千年というから、「次の世」は見えない世界、深刻さはない。寧ろ一直線に生きてきた姿の印象が強い。 亀田氏は石川県白山市生まれ。昭和47年、「蟻の塔」に入会。後に同人。平成9年「蟻の塔」退会。平成10年「鷹」入会、12年同人。「鷹」入会のきっかけを、“俳句に大きな壁を感じていて、自分のよしとする俳句が認められなく焦っていたある日、藤田湘子著書『俳句作法入門』に出会い驚愕。迷っている点にしっかりと答えてあったー”と語る。 平成19~23年、石川県現代俳句協会会長。26年白山市文化賞受賞。28年~石川県俳文学協会会長。句集に『水の韻』(昭和62年)、亀田紀代子氏と共著『ふたり』(平成27年)。 句集『ふたり』より(ふらんす堂/2015年1月15日発行) 太陽のかあんと音す早稲の花 水鳥の真中へずずと遠めがね 基督も仏陀も異人飛魚(あご)跳べり 人にみなうしろ姿や夕ざくら 白山にぶつかりさうに夏つばめ 鍬一打筍ちゆうと鳴きにけり 星ひとつ天窓にあり狩の宿 写真:チベットNOW@ルンタ 引用元:ルンタプロジェクト |
評 者 |
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備 考 |
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