構成性原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/22 06:54 UTC 版)
構成性原理はフレーゲの原理ともいい、複合表現の意味はその構成要素から、一定の合成手続きに従って一意的に決定されるとする理論上の仮定である(実際には、自然言語にはイディオムのように構成的でない表現もある)。モンタギューは、文の統語的表示と意味表示とのあいだに準同型写像を与えることでこの原理を保証した。 例えばJohn walks.という文においては、Johnとwalksを結びつける統語規則に対応する意味規則が仮定されている。Johnの指示対象を個体とし、walkの指示対象は、個体に対してそれが歩いているなら真、歩いていないなら偽を返す特性関数(これは歩いているもの全体の集合と等価である)であるとする。このとき、文全体の指示対象を決定する意味規則は、Johnに対して関数walkを適用したものとして規定できる(実際にモンタギューやそれ以降の研究で用いられる規則は、これより複雑である)。関数の表記はラムダ計算を用いるのが一般的である。 名詞、動詞、文などの範疇ごとに定まった、指示対象の形式の違い(個体、関数、真理値など)はタイプと言い、タイプの考えに基づいた理論をタイプ理論と称する。
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