楽器と演奏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/02 09:53 UTC 版)
笛は宮流神楽笛と呼ばれる比較的高音域の篠笛(十二本調子程度)が使われている。この笛は第7孔の音程が第6孔の音よりも約1音半高く、通常のお囃子用篠笛とは少し異なったスケールを持っている。笛を自作している地域も多いため微妙にピッチが異なっている笛も出回っているが、お囃子篠笛を使っている一部の地域を除いて基本的な音程に大きな差は無い。笛に関しては、菊田雅楽器店(名古屋市熱田区白鳥2丁目)の宮流神楽笛が標準とされている。菊田雅楽器店は、熱田神宮社家であった菊田金太夫(菊田斎女の親戚にあたる)が明治時代初期に神楽師から楽器製作者に転身し、以後代々受け継がれている楽器店である。 太鼓は宮太鼓と締太鼓の両方を一人で打つのが通常であり、締太鼓を体の正面に、宮太鼓を体の左やや前方に横向きに置く。締太鼓の代わりに小さな宮太鼓を使うこともあるが、その場合は小さな宮太鼓を体のほぼ正面に、大きな宮太鼓を体のやや右前方に並べて置く。熱田神楽・宮流神楽は両方の太鼓を一人で打つのが特徴とされており、それぞれを一人ずつで打つ周辺の大和流神楽・伏見屋流神楽・朝日流神楽などの流派と見分ける手段となっている。ただし、かつての熱田町神楽師の太鼓の打ち方には、田中流と大瀬子流の2つの流派があり、大瀬子流では大きな宮太鼓と小さな宮太鼓をそれぞれ別の人が打っていた。現在、熱田神楽という名称を使っている地域はすべて田中流の打ち方をしているが、頭の片隅には留めておくべきであろう。
※この「楽器と演奏」の解説は、「熱田神楽・宮流神楽」の解説の一部です。
「楽器と演奏」を含む「熱田神楽・宮流神楽」の記事については、「熱田神楽・宮流神楽」の概要を参照ください。
- 楽器と演奏のページへのリンク