楕円型複体のホッジ理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 02:15 UTC 版)
「ホッジ理論」の記事における「楕円型複体のホッジ理論」の解説
一般に、ホッジ理論はコンパクト多様体 M 上の任意の楕円型複体に適用できる。 E0, E1, …, EN を M 上の計量を持つベクトル束とし、 L i : Γ ( E i ) → Γ ( E i + 1 ) {\displaystyle L_{i}\colon \Gamma (E_{i})\to \Gamma (E_{i+1})} をこれらベクトル束の切断の空間上に作用する微分作用素として、これらの成す複体 Γ ( E 0 ) → Γ ( E 1 ) → ⋯ → Γ ( E N ) {\displaystyle \Gamma (E_{0})\to \Gamma (E_{1})\to \dotsb \to \Gamma (E_{N})} が楕円型であるとする。これらの直和 L = ⨁ L i : E ∙ → E ∙ ( E ∙ = ⨁ Γ ( E i ) ) {\displaystyle L=\bigoplus L_{i}\colon {\mathcal {E}}^{\bullet }\to {\mathcal {E}}^{\bullet }\quad ({\mathcal {E}}^{\bullet }=\bigoplus \Gamma (E_{i}))} をとり、L* を L の随伴として楕円型作用素 Δ = LL* + L*L を定義すると、ド・ラームコホモロジーのときと同様に、調和切断全体の成すベクトル空間 H = { e ∈ E ∙ ∣ Δ e = 0 } {\displaystyle {\mathcal {H}}=\{e\in {\mathcal {E}}^{\bullet }\mid \Delta e=0\}} を考えることができる。 ここで、 H : E ∙ → H {\displaystyle H\colon {\mathcal {E}}^{\bullet }\to {\mathcal {H}}} を直交射影とし、G を Δ に対するグリーン作用素とすると、ホッジの定理は以下の事を主張する。 H および G は矛盾なく定義される。 Id = H + ΔG = H + GΔ. LG = GL, L*G = GL*. この複体のコホモロジーは調和切断の空間と自然同型 H ( E j ) ≅ H ( E j ) {\displaystyle H(E_{j})\cong {\mathcal {H}}(E_{j})} である。これは各コホモロジー類は調和な代表元を一意に持つことを意味する。
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