東濃用水との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/30 14:15 UTC 版)
ダムは発電専用であるが、貯水池には東濃用水の取水口が建設され、ここから幹線導水管が多治見市まで伸びている。多治見市を中心とする岐阜県東部地域、通称「東濃地域」は主要な水源として庄内川(岐阜県内では「土岐川」と呼ばれる)より直接取水していたが、庄内川上流部は水量が乏しかった。さらに近年では精密機械工業などの進出に伴い工場が多く立地し、また名古屋市からJR東海・中央本線の快速を使って30 - 40分程度の圏内である事からベッドタウンとして宅地開発が急激に進んだため、従来の庄内川や溜池・地下水での水供給は限界を来たし揚水施設整備の為に水道費が高騰する状況であった。 こうした慢性的な水不足を解消するために岐阜県は木曽川を水源とした「東濃用水建設事業」に着手。水資源開発公団(現・水資源機構)が管理する牧尾ダムを水源とする為事業費負担を行い、関西電力と発電に支障を来たさない程度の一定量取水を落合ダム湖で行う事で調整を図った。落合ダムで取水した木曽川の水は中津川浄水場を経て幹線導水路より調整池を通じて各地へ送られ、現在は多治見市を始め土岐市・瑞浪市・恵那市・中津川市の東濃地域5市へ上水道・灌漑・工業用水を供給している。東濃用水は1976年(昭和51年)に完成したが、その後水源として阿木川ダム(阿木川)や味噌川ダム(木曽川)を新規に加え、東濃地域の水需要に貢献している。現在は可児市・美濃加茂市の可茂地域と緊急時における水運用調整を図るため、統合事業を計画している。
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