杜氏(とうじ)
農漁村出身の酒造季節労務者の長として各酒蔵で醸造をつかさどる最高責任者をいう。広義には酒造労務者を総称することもある。杜氏の名の由来は、昔中国で初めて酒をつくった杜康(とこう)の名をとったとする説、奈良平安時代に造酒司(さけのつかさ)が酒造に用いた壺(つぼ)を「大刀自(おおとじ)、小刀自(ことじ)」と呼んだことから、酒をつくる人をも刀自(とじ)というようになったとする説、寺社で酒をつくる以前、酒つくりは家庭を取り仕切った主婦(刀自)の仕事であり、刀自が転じたものとする説などがある。沖縄では泡盛の製法は秘密とされ嫁に行く娘には教えず、母から嫁に伝えていた。南九州、沖縄では現在でも一家の主婦が製造しているところがある。沖縄県以外では、明治末期まで清酒麹を使用して、コメ製、カンショ製、ムギ製などの焼酎をつくっており、また清酒粕の焼酎は北九州から東北地方までつくられていたので、清酒をつくる杜氏が焼酎製造に従事することも多かったが、大正初期に沖縄より黒麹(くろこうじ)(泡盛麹)が鹿児島に導入され、これに慣れた鹿児島県川辺(かわなべ)郡笠沙(かさ)町黒瀬の笠沙杜氏と日置(ひおき)郡金峰(きんぽう)町阿多(あた)の阿多杜氏が焼酎杜氏として知られるようになった。
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