本編での行動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 09:34 UTC 版)
物語の前半では、フリント船長の隠し財宝の在り処を示した地図を手に入れるため正体を隠して暗躍する。冒頭から、地図を狙う「一本足の船乗り」として言及されていたものの、直接登場したのは「遠めがね屋」の気のいい店主としてで、主人公ジム・ホーキンズらの一行に巧みに取り入り、船の料理番として冒険に同行することになる。 物語中盤からは、同じく乗組員として乗船させた仲間の海賊達とともに、宝を手に入れるための反乱を主導する。ジム少年によって正体が露呈し、宝島に上陸してからは海賊の首領として主人公側と対立する。だが主人公達の意外な活躍のために次第に形勢が逆転すると立場が危うくなり、船も奪還されるに及ぶと、縛り首を免れるために一転して主人公らと協調行動を取って生き残った海賊達と対立し、ジムと共にフリントの財宝を捜索した。 最終的にフリントの元手下の内で財宝を手に入れたのは、シルバーを含めて二人だけとなった。シルバーはジムに弁護を約束させて、一行とともに帰路についたものの、途中で財宝から三百から四百ギニー分を駄賃として奪ってまんまと逃げおおせた。その後の行方は知れないが、黒人の妻とオウムのフリントと共に、変わらず暮らしているのだろうとジムは推測している。 シルバーは根っからの悪党ではあるが、彼の性格は多くの登場人物を惹きつけるものだった。特に主人公ジム・ホーキンズとの関係は興味深く、ジムはシルバーに幾度も生命を脅かされながらも、最終的には信頼関係と呼べるものを築き上げ、ジムは彼の現世での安楽を願うまでになる。 そのため、中盤で彼の反乱計画が発覚し、敵役としてジムらと対立するようになったのは、読者にとってもジムにとってもショッキングな出来事だった。シルバーは生き残るためなら喜んで仲間を裏切り、敵・味方と立場を転々とするが、それを補うだけの魅力を備えたキャラクターだった。 スティーブンソンが描いた、片足で、肩にオウムを乗せたシルバーは、現代の海賊に対する図像に非常に影響を与えた。
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