本系列の投入先
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 03:51 UTC 版)
新型通勤電車の概要がまとまると、どの線区に投入するかが焦点となった。1962年(昭和37年)6月頃には本系列を山手線に投入するのか、捻出される101系の転用先をどうするのか早急に決めるべきだという議論がなされた。 1962年秋の山手線8両化のための変電所増強では、101系6M2Tの限流値300 Aでの運転を想定しており、限流値を350 A → 480 Aにするための変電所増強計画が提案・検討された。変電所増強時点で、本系列4M4Tで限流値415 Aの場合、101系6M2Tの限流値480 Aでの運転とほぼ同等の所要時間で運転を行うことが可能と判断されたため、本系列の山手線投入を早急に決定しなければ、不要な変電所増強を行うことになる。このため1962年10月には国鉄本社運転局・営業局・電気局・工作局などにより「新型通勤電車の投入線区について」がまとめられ、103系の投入線区を山手線・京浜東北線・総武緩行線に絞り込んで議論が続けられた。その結果を踏まえ、同年11月5日の常務会にて本系列は山手線に投入し、101系を総武緩行線に転用することが決定された。 1962年11月15日に渋谷・東京などの変電所増強が完成し、11月19日のダイヤ改正から山手線の一部8両編成化が行われた。電動車比率が上がったことから限流値は300 Aのままとされ、山手線一周の運転時分は5M3Tの旧性能車よりも20秒短縮できたが、変電所増強が完了するまで、新性能化がされながらも旧性能車並に制約を受けざるを得なかったのが、当時の首都圏電力事情である。
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