木造千手観音立像及び木心乾漆千手観音立像 - 重要文化財
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「道成寺」の記事における「木造千手観音立像及び木心乾漆千手観音立像 - 重要文化財」の解説
前記の国宝の千手観音像の背後に北向きに安置されていた、秘仏の千手観音像とその胎内仏である。木造千手観音像は長年秘仏とされていたが、前述の本堂解体修理に際して像を移動した際、像内に破損の激しい木心乾漆千手観音像が納められているのが発見された。木造千手観音像は像高299.8センチ。南向き本尊と同様、44手を有する。現・本堂の建立と同時期の南北朝時代の作品と推定される。抑揚のない円筒状のプロポーションに造られ、像内に胎内仏を納めることを想定して造られた鞘仏(さやぼとけ)である。胎内仏の木心乾漆千手観音立像は発見時に破損が甚大で、面部を含め、像の前半部はほとんど朽損していたが、背面の頭部から背、腰にかけては比較的当初の造形が残っており、作風から奈良時代の作と推定される。この像に属していた脇手の残片多数が像とともに発見された。また、寺内の蔵に別途保管されていた手首、腕等も本像に属するものと確認された。この木心乾漆像はその後、顔などの欠失部分を補って復元され、本堂に安置されている。復元後の像高は236.0センチ。鞘仏、胎内仏ともに1989年に重要文化財に指定された。
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