朝廷・寺院の授ける受領名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 14:16 UTC 版)
京都においては、朝廷や御所や寺院の用をはたす商工業者や芸能者に限り、家格や家業に箔をつけさせるため、金品次第により守、介、掾などの受領名を授け、特権的立場を与えた。受領名を有する商工業者が扱う商品は、ブランドとしての附加価値が認められ、同じ業種の職人がつくった商品の中でも、破格の値段で取引される。こうしたことから、多くの業者が自身の名誉と商売繁盛を期して受領名を求めた。 特に戦乱に疲弊し、武家に荘園を横領されてきた朝廷や寺院にとり、官位や受領名の授与は、貴重な収入源でもあった。 ウィキソースに医師画工諸職人ノ位階及国名受領等ヲ廃スの原文があります。 時は下り、明治政府は、1869年(明治2年)5月8日に、仁和寺、大覚寺及び勧修寺に許可していた受領名の授受を廃止し、授受された者に対してその利用を停止する旨の布告を行った。これにより、寺院による受領名授受の歴史は終了した。
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