有限点集合の凸包
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/17 04:35 UTC 版)
有限な点集合の凸包は、それに属する点から得られる凸結合全体の成す集合である。凸結合における S の各点 xi に掛かる重みあるいは係数 αi は、全て正かつそれらの総和が 1 となるものであり、これらの重みは点の間の重み付き平均の計算に用いられる。このような係数の組を選ぶごとに凸包に属する点が一つ定まり、係数として可能な全ての組を考えることによって凸包の全体が得られる。式にすれば、凸包は { ∑ i = 1 | S | α i x i | ( ∀ i : α i ≥ 0 ) ∧ ∑ i = 1 | S | α i = 1 } {\displaystyle \left\{\sum _{i=1}^{|S|}\alpha _{i}x_{i}{\mathrel {\;{\Bigg |}\;}}(\forall i:\alpha _{i}\geq 0)\wedge \sum _{i=1}^{|S|}\alpha _{i}=1\right\}} で与えられる集合ということになる。Rn 内の有限点集合 S の凸包は、平面の場合は凸多角形、三次元空間の場合は凸多面体、より一般の次元では凸超多面体(英語版)または凸多胞体)と呼ばれる。S の点 xi でそれ以外の点の凸包に属さないもの ( x i ∉ Conv ( S ∖ { x i } {\displaystyle x_{i}\notin \operatorname {Conv} (S\setminus \{x_{i}\}} ) を Conv(S) の頂点と呼ぶ。実は Rn の任意の凸多面体は、その頂点集合の凸包になっている。 S の点が全て一つの直線上に載っているならば、S の凸包はもっとも外側にある二点を結ぶ線分になる。また、集合 S が平面上の(つまり二次元の)空でない有限部分集合のとき、S 全体をゴムバンドでぐるりと囲んでから、これを放して縮まる状況を想像すると、ゴムバンドがピンと張った状況で S の凸包を見取ることができる。 二次元において、凸包は最左点と最右点の間を引き延ばしてできる「上包」(upper hull) と「下包」(lower hull) と呼ばれる二つの多角形の鎖に分けることがある。より一般に言えば、任意次元で一般の位置にある点の集合に対して、凸包の各刻面(英語版)は(凸包とその直上の点を分離することで)上方または下方に向き付けられる。上方を向く刻面全ての合併が上包と呼ばれる位相的円板を成すのである。同様に下包は下方向き刻面全体の合併を言う
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