有機金属触媒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/16 16:21 UTC 版)
有機合成においてはルテニウムやロジウムなどを中心金属とし、ジアミンやホスフィンを配位子とするなど様々な水素移動触媒が開発されている。この代表的なものがジクロロ(シメン)ルテニウムダイマーとトシル化されたジフェニルエチレンジアミン(英語版)である。これらの触媒は主にケトンやイミンをアルコールやアミンに還元する有機酸化還元反応に用いられる。これらの水素源は典型的にはイソプロパノールが用いられる。イソプロパノールは反応後はアセトンに変化する。移動水素化は出発物質がプロキラルな場合高いエナンチオ選択性で進行する。 RR'C=O + Me2CHOH → RR'C*H-OH + Me2C=O (RR'C*H-OHはキラルな化合物) よく用いられる触媒は(シメン)R,R-HNCHPhCHPhNTs(Ts=SO2C6H4Me、R,Rは不斉中心の炭素に対する絶対配置(英語版)を示す。不斉水素化は2001年の野依良治のノーベル化学賞受賞の対象となった。。 そのほかの移動水素化試薬としてメールワイン・ポンドルフ・バーレー還元に用いられるアルミニウムアルコキシド類(アルミニウムイソプロポキシド)がある。しかし遷移金属触媒に比べて活性は落ちる。
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