曲面の幾何学的分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/09/15 07:12 UTC 版)
向き付け可能曲面上では、リーマン計量から次のように自然に概複素構造へ導かれる。接ベクトル v に対し、J (v) を v と直交し、(v, J (v)) が正の向き付けをもつような、v と同じ長さのベクトルとする。曲面上では概複素構造は可積分であるので、このことは与えられた曲面をリーマン面とすることを意味する。 このことより、計量の入った曲面は次のように分類される。連結な計量の入った曲面は、次の中のひとつの等長群(英語版)(isometry group)の離散部分群(英語版)(discrete subgroup)の群作用による商空間である。 球面 (曲率 +1) ユークリッド平面 (曲率 0) 双曲平面(英語版)(Hyperbolic plane) (曲率 −1). 第一の場合は、正のオイラー標数を持つすべての曲面の場合であり、球面や実射影平面を含んでいる。第二の場合は、オイラー標数が 0 であるすべての曲面の場合であり、ユークリッド平面、円柱、トーラスを含んでいる。第三の場合は、すべての負のオイラー標数の曲面であり、ほとんどすべて(almost all)の曲面が双曲的である。閉曲面に対し、この分類はガウス・ボネの定理と整合していて、ガウス・ボネの定理は、定曲率の閉曲面に対して、オイラー標数の符号と曲率の符号とは一致するはずであるという定理である。 負/平坦/正の分類は、代数幾何学でも対応する複素代数曲線の小平次元 -∞, 0, 1 に対応している。 リーマン面に対し、ラドの定理(英語版)(Rado's theorem)は、曲面は自動的に第二可算であるという定理である。一般の曲面に対し、これはもはや正しくないので、上の分類は曲面が第二可算であることを前提とする必要がる。プリュファー曲面(英語版)(Prüfer surface)は、(リーマン)計量の入らない曲面の例である。
※この「曲面の幾何学的分類」の解説は、「一意化定理」の解説の一部です。
「曲面の幾何学的分類」を含む「一意化定理」の記事については、「一意化定理」の概要を参照ください。
- 曲面の幾何学的分類のページへのリンク