暗殺の手段として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 00:55 UTC 版)
2006年11月にイギリスで発生した、元ロシア連邦保安庁 (FSB) 情報部員アレクサンドル・リトビネンコの不審死事件で、ポロニウム210が被害者の尿から検出されたことが明らかになった(死因は体内被曝による多臓器不全と推測され、暗殺その他の謀略死の可能性が広く指摘されている。なお、事件の詳細は当人の項参照)。ロシア運輸省は航空機から基準値を超える放射線を検出したと発表したが、その後の調査で基準値の範囲内であると判明した。 2004年11月に死去したPLO執行委員会議長ヤーセル・アラファートの死因も当初不明とされたが、その後病院で使用していた衣類よりポロニウム210が検出されたことより、ポロニウムによる暗殺が疑われている。 ポロニウム210は99.99876%アルファ崩壊のみで崩壊し、崩壊過程でガンマ線の放射を0.00123%しか伴わない(殆どのアルファ崩壊はガンマ線の放射を伴う)。アルファ線は紙一枚で遮蔽されるため、容器に入ったポロニウム210(あるいは微量仕込んだ食品等)をガンマ線計測により検出することは不可能である。運搬者が被曝しないこと、被害者を即死させないことも暗殺用薬物に適した特徴である。
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