時制とアスペクト(相)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/12 01:47 UTC 版)
「古代ギリシア語の文法」の記事における「時制とアスペクト(相)」の解説
古代ギリシア語の時制は、現在・過去・未来といった時間の表現だけでなく、継続性・一回性・完了性といったアスペクト(相)の区別にも用いられる。これはインド・ヨーロッパ祖語から受け継がれた要素である。アスペクトは直説法・接続法・命令法・希求法の全ての法に現れるが、時間の表現はほぼ直説法に限られる。 直説法では、7つの時制が2つのカテゴリー(本時制、副時制)に分類される。 本時制 (primary):現在と未来の時を表す。これには現在、現在完了、未来、未来完了(使用は稀)がある。 副時制 (secondary):過去の時を表す。これには未完了過去、過去完了、アオリストが含まれる。副時制を「歴史的時制」(historical tense) とも呼ぶ。 動詞のアスペクトには3つがある。この区分は直説法だけでなく、全ての法に適用される。 未完了相 (Imperfective aspect):持続的、継続的、反復的な行為を表す。現在と未完了過去がこのアスペクトを表している。 完結相 (perfective aspect)(アオリスト相 aorist aspect とも呼ばれる):アオリスト(時制)がこのアスペクトを表しており、次の意味がある。 開始された行為が終了していることを表す。 完結した一度の行為を表す。 行為の持続やその後の影響とは無関係に、ある事象・行為が起こったことを表す。 完了相 (perfect aspect)(直上の「完結相」との混同に注意):行為が完了し、その影響が後のある時点(現在なら「今」)まで続いていることを表す。現在完了、過去完了、未来完了がこのアスペクトを表している。
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