昼間用寝台の上の女性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/01 10:14 UTC 版)
| フランス語: Une dame sur son lit de repos 英語: A Lady on her Daybed |
|
| 作者 | フランソワ・ブーシェ |
|---|---|
| 製作年 | 1743年 |
| 種類 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 57.2 cm × 68.3 cm (22.5 in × 26.9 in) |
| 所蔵 | ウォレス・コレクション、ニューヨーク |
『昼間用寝台の上の女性』(ひるまようしんだいのうえのじょせい、仏: Une dame sur son lit de repos, 英: A Lady on her Daybed)は、18世紀フランス・ロココ期の巨匠フランソワ・ブーシェが1743年にキャンバス上に油彩で制作した肖像画である。ブーシェの妻マリー・ジャンヌ・ビュゾ (Marie-Jeanne Buzeau, 1716年以降-1786年) を描いている。作品は1937年に購入されて以来、ニューヨークのフリック・コレクションに所蔵されている[1]。
作品
この非公式の肖像画のために粋にポーズをとるマリー・ジャンヌ・ビュゾは当時ブーシェと結婚して10年が経っており、27歳で3人の子持ちであった。彼女はしばしば夫のためにモデルを務め、晩年には彼の著名な絵画のミニアチュールの複製を描き、彼の素描にもとづいてエングレービングも制作した[1]。
本作は画家の妻の飾らない姿を表わしているばかりでなく、彼が前年に引っ越してきたグルネル=サント=ノレ通りの居宅の部屋を見事に垣間見せてくれる[1]。飾り棚上の陶器の小さな人形と茶器は、18世紀を通して非常に人気のあった東洋の骨董品に対するブーシェの嗜好を反映している。画面の肖像は、ルネサンス時代にジョルジョーネやティツィアーノが描いた古典的なヴィーナスを機知に富んだパロディーにしたもので、「ブーシェのだらしないヴィーナス」という愛称を持っている[1]。
なお、『朝食』 (ルーヴル美術館、パリ) や『化粧』 (ティッセン=ボルネミッサ美術館、マドリード) に登場する女性は、マリー・ジャンヌ・ビュゾであるとも提唱されてきた[2][3]。
ギャラリー
脚注
- ^ a b c d “A Lady on her Daybed”. フリック・コレクション公式サイト (英語). 2025年10月31日閲覧。
- ^ 『ルーヴル美術館 収蔵絵画のすべて』、2011年、569頁。
- ^ 『週刊世界の美術館 No.50 ティッセン美術館』、2001年 17頁。
参考文献
- ヴァンサン・ポマレッド監修・解説『ルーヴル美術館 収蔵絵画のすべて』、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2011年刊行、ISBN 978-4-7993-1048-9
- 千足伸行監修『週刊世界の美術館 No.50 ティッセン美術館』、講談社、2001年2月刊行
外部リンク
- 昼間用寝台の上の女性のページへのリンク