泉での休息とは? わかりやすく解説

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泉での休息

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/29 03:04 UTC 版)

 

『泉での休息』
フランス語: Halte au printemps
英語: Halt at the Spring
作者 フランソワ・ブーシェ
製作年 1765年
種類 キャンバス上に油彩
寸法 208.6 cm × 289.9 cm (82.1 in × 114.1 in)
所蔵 ボストン美術館ボストン

泉での休息』(いずみでのきゅうそく、: Halte au printemps, : Halt at the Spring)は、18世紀フランスロココ期の巨匠フランソワ・ブーシェが1765年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。画面右側にある壺の台座に「FBoucher / 1765」という画家の署名と制作年が記されている[1]。当初、『新約聖書』の主題である「エジプト逃避途上の休息」として描かれた作品を描きなおしたものである[1][2]。作品は1871年に寄贈されて以来、ボストン美術館に所蔵されている[1][2][3]

作品

18世紀のフランスで最も影響のある画家であったブーシェは、肖像画風景画神話画だけでなく、オペラの舞台、陶磁器タピストリーの下絵も手掛けている[1][2]。本来、小さな「エジプト逃避途上の休息」を主題としていた本作は、左側に聖母マリア聖ヨセフ、幼子イエス・キリストを表していたが、1761年から1765年にかけて画面が拡大され (上部と側面に付け足されたキャンバスが見える)、空想的な農民生活を表す作品に作り直された[1][2]

泉のそばで、旅行者が休息している。家族 (本来、聖家族であった) が前景左側におり、母親は子供に授乳し、周囲にはほかの子供たちや荷物が見える。母子の背後にある布の前には男、おそらく父親がいる。ほかの旅行者たちは動物の世話をしたり、食事をしたり、水辺でくつろいだりしている。背景は岩山のある美しい風景になっている。生き生きとした色彩、大胆な構図、牧歌的情景は、ロココの画家ブーシェの特徴である[3]が、同時に鮮やかな赤色により生命感が躍動する、壮大な幻想風景となっている。幻想的、人工的な美に惹かれていたブーシェは、現実の自然界を「緑が多すぎて、光が乏しい」として退けていた[2]

描き直される前の1761年にパリで本作が展示された時、批評家のドゥニ・ディドロは、「何という色彩! 多様性! そして事物と思想の豊かさ! この男はすべてを有している。ただ「真実」を除いては」と記している[2]

脚注

  1. ^ a b c d e Halt at the Spring”. ボストン美術館公式サイト (英語). 2025年10月29日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 『ボストン美術館ガイドブック』、2009年、212頁。
  3. ^ a b Halte au printemps”. Feel the Artサイト (フランス語の英訳). 2025年10月29日閲覧。

参考文献

外部リンク




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