ソファに横たわる裸婦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/24 23:08 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動ソファに横たわる裸婦または黄金のオダリスク(フランス語: Jeune fille allongée、Jeune fille couchée、L'Odalisque blondeとも)とは、フランソワ・ブーシェによる2枚の絵画の題名。 現在はW・リヒャルツ美術館とアルテ・ピナコテークの所蔵である。
これらの絵は、ブーシェのモデルとして働き、ルイ15世[1]の愛人にもなったアイルランド人少女、マリー=ルイーズ・オミュルフィの肖像画として描かれている。ケルン版の制作当時、オミュルフィはたったの十二歳であった。 ルイ15世は、ブーシェによる彼女の裸体画を見てオミュルフィに関心を寄せた。そして1753年、オミュルフィは同じく王の公妾であったポンパドゥール夫人の開いた娼館、鹿の園に招かれることとなった。 コケティッシュな少女の挑発的な姿勢によって、優艶な官能美が表現されるこの作品は、コレッジョの描いたような❝聖愛❞のテーマあるいは、ヴェネツィア派の描く女神たちの神的な美しさとはかけ離れたものである。
色彩
磁器にも喩えられた人工的な人物像や、繊細な色遣いのインテリアなどはブーシェの作品に共通して見られる要素である。それは画題の浮薄さと相俟ってしばしば批判され、後年の評価を下げる一因ともなった。繊細を極めた色の扱いはここでも発揮される。浅く均一な表面を作り出す目的で下地には白が使用され、赤、青、黄の絵の具を、ピンク、水色、淡い黄色といった控えめな色合いに弱めるのに成功している。色相は見事に合わさっているが、明度や影の深さははっきりとしない。
参考文献
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