田園生活の魅力とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 田園生活の魅力の意味・解説 

田園生活の魅力

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/25 13:45 UTC 版)

 

『田園生活の魅力』
フランス語: Les Charmes de la vie champêtre
英語: Charms of Country Life
作者 フランソワ・ブーシェ
製作年 1735-1740年
種類 キャンバス上に油彩
寸法 100 cm × 145 cm (39 in × 57 in)
所蔵 ルーヴル美術館パリ

田園生活の魅力』(でんえんせいかつのみりょく、: Les Charmes de la vie champêtre: Charms of Country Life)は、18世紀フランスロココ期の巨匠フランソワ・ブーシェが1735-1740年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。制作年は確定できず、ルイ15世 (フランス王) のコレクションにあったものの、いつ入ったものかはわかっていない[1]。しかし、1760年に作成された財産目録に本作を指していると思われる箇所がある[1][2]ため、それ以前にヴェルサイユ宮殿に収蔵されていたはずである[1]。作品は現在、パリルーヴル美術館に所蔵されている[1][2]

作品

ブーシェ『牧歌的情景』 (1730年代初頭) 、エルミタージュ美術館サンクトペテルブルク

本作は、美しい野原や田園を舞台に若い羊飼いの男女が恋愛場面を繰り広げる、いわゆる「パストラル」 (牧歌) を表す作品である[3]エルミタージュ美術館 (サンクトペテルブルク) 蔵の『牧歌的情景[3]ウォレス・コレクション (ロンドン) 蔵の『噴水のそばに男女のいる牧歌的情景[4]などと同様、ブーシェが制作した独自のジャンルに属している。画家は、大衆演劇の主題、とりわけ1740年代に大流行した友人シャルル・シモン・ファヴァール英語版の台本に大きなインスピレーションを受けた[1]

ファヴァールの劇では、の衣装を纏った裸足の羊飼いの娘たちが、同じように着飾った羊飼いの男たち (麦わら帽子と羊飼いの杖は持っている) とサロンで展開するかのような会話を交わす[1]。ブーシェが創造したのも同様の人工的な世界であり、リアリティーはない。風景は、彼自身が携わった舞台装飾を意図的に真似ている。そこには幻想的な建築物と非現実的な木々が見られ、純白の羊は青い絹のリボンを着けている。このようなオペレッタ風の作品は、人生の甘美さが支配する夢幻の世界へ、心地よい美以外はすべて取り除かれた世界へと鑑賞者を誘うのである[1]

脚注

  1. ^ a b c d e f g 『ルーヴル美術館200年展』、1993年、54頁。
  2. ^ a b Les Charmes de la vie champêtre”. ルーヴル美術館公式サイト (フランス語). 2025年10月25日閲覧。
  3. ^ a b 『NHK エルミタージュ美術館 2 ルネサンス・バロック・ロココ』、1989年、164頁。
  4. ^ Pastoral with a Couple near a Fountain”. ウォレス・コレクション公式サイト (英語). 2025年10月25日閲覧。

参考文献

  • 『ルーヴル美術館200年展』、横浜美術館、ルーヴル美術館、日本経済新聞社、1993年刊行
  • 五木寛之編著『NHK エルミタージュ美術館 2 ルネサンス・バロック・ロココ』、日本放送出版協会、1989年刊行 ISBN 4-14-008624-6

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  田園生活の魅力のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

田園生活の魅力のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



田園生活の魅力のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの田園生活の魅力 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS