昭和町のゲンジボタル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 05:54 UTC 版)
「地方病 (日本住血吸虫症)」の記事における「昭和町のゲンジボタル」の解説
昭和町では、ミヤイリガイ駆除で使われた殺貝剤や鎌田川流域など河川のコンクリート化、さらに先述した高度経済成長による土地開発や汚水の垂れ流しにより、ミヤイリガイとよく似た形態・生態であるカワニナが減り、それを幼虫期の餌とするゲンジボタルも、その個体数と生息地を減らしていった。また、火炎放射器がミヤイリガイと一緒くたにホタルの蛹を焼く、ということも原因の一つにあった。 鎌田川のゲンジボタル発生地(北緯35度37分56.5秒 東経138度32分21.3秒 / 北緯35.632361度 東経138.539250度 / 35.632361; 138.539250 (国指定天然記念物鎌田川ゲンジボタル発生地))は1930年(昭和5年)に国の天然記念物に指定されていたが、個体数の減少により、1976年(昭和51年)に指定解除された。当時の昭和町民はミヤイリガイを減らすとホタルも減る、と認識していたが、地方病撲滅のため、天然記念物指定解除を受け入れるばかりだった。 姿を消したと思われたホタルであったが、1987年(昭和62年)、昭和町内の川で突然大発生し、翌1988年にはホタル復活をめざす有志により『昭和町源氏ホタル愛護会』が結成され、会員らの自宅にホタルの飼育場を設け、生息環境の保全のため河川清掃などの活動が続けられている。さらに昭和町内に約4,000ヶ所ある下水道のマンホールのフタにはホタルがデザインされるなど、町を挙げてゲンジボタルの保全活動が行われている。昭和町風土伝承館となっている杉浦醫院内の池には、ホタルが生息できるようにしている。 2012年現在、釜無川や笛吹川の流域では、小学生など児童が参加するホタルの勉強会や幼虫放流会が行われている。
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