旧民法の性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 21:34 UTC 版)
旧民法が「フランス民法をそのまま再現したもの」、「フランス民法(code civil)の日本語版」とみるときは、延期派の反発は、仏民法典およびフランス法思想に対する反発と同一視される。 一方、ボアソナードも日本の伝統を尊重した人であり、西洋法理との調和を目指したとみるときは、努力が不完全だったために民法典論争が起きたと理解される。 旧通説の論者も、旧民法もまた戸主を中心とした家制度を採り、明治民法とさほど異ならないかに見えるが実は違うと主張するに過ぎず、批判説と全然相容れないわけではない。 旧民法人事編243条 1.戸主とは一家の長を謂い家族とは戸主の配偶者及び其家に在る親族、姻族を謂う 2.戸主及び家族は其家の氏を称す 人246条 家族は婚姻又は養子縁組を為さんとするときは年齢に拘らず戸主の許諾を受く可し 旧民法の妥協的性格を根拠に、大井憲太郎(仏法派・断行派)を引用してボアソナードすらも「保守主義の法律家」と評するのは平野義太郎である。
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