日本での言語研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/22 09:59 UTC 版)
「W・A・グロータース」の記事における「日本での言語研究」の解説
グロータースは国立国語研究所による『日本言語地図』作成に準備段階から参加し、また柴田武・徳川宗賢(のちに馬瀬良雄も)とともに糸魚川地域での方言調査を行った(1957・1959・1961)。自ら方言調査を行うかたわら、多くの大学で言語地理学の講義を行い、戦後日本の方言研究に言語地理学の手法をもたらした。柴田武は『言語地理学の方法』(筑摩書房1969)の「はしがき」で「もしグロータース神父という先達者があらわれなかったら、わたしは言語地理学を始めなかっただろうし」とまで言っている。 専著として『日本の方言地理学のために』(平凡社1976)がある。『方言地理学の課題』(明治書院2002)は、グロータース追悼記念論文集で、グロータースの年譜と著作目録を含む。 柴田武とともにヨーロッパの言語地理学の著作を翻訳している。エウジェニオ・コセリウ『言語地理学入門』(三修社1981)は単著として出版された。 言語学者としては一貫して人間中心主義の立場をとり、ブルームフィールドらのアメリカ構造主義言語学については自然科学的で根本原理が偏向しているとして批判した。チョムスキーについては自然科学から哲学に原理をすえなおすものとしてこれを歓迎したが、のちに機械的分析におちいったとして批判した。
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