新メルセンヌ予想
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/02 09:32 UTC 版)
新メルセンヌ予想(New Mersenne conjecture)あるいは Bateman, Selfridge and Wagstaff conjecture (Bateman et al. 1989) とは、「任意の奇の自然数 p に対して、 もし次の条件のうち2つを満たしているならば、3つめの条件も同様に満たされるであろう」というものである。 ある自然数 k に対して、p = 2k ± 1 あるいは p = 4k ± 3 (オンライン整数列大辞典の数列 A122834) 2p − 1 が素数 (メルセンヌ素数) (A000043) (2p + 1) / 3 が素数 (ワグスタッフ素数) (A000978) もし p が奇の合成数であるなら、2p − 1 および (2p + 1)/3 は両方とも合成数である。すなわち、この予想の真偽は素数判定のみで示すことができる。 現在、これら3つの条件をすべて満たす既知の数字は 3, 5, 7, 13, 17, 19, 31, 61, 127 である(A107360)。なお、この新メルセンヌ予想は「127よりも大きい数字はこれら3つのすべての条件を満たさないだろう」ということも含む。 3つの条件のうち、少なくとも1つを満たす素数は次の通り。2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 31, 43, 61, 67, 79, 89, 101, 107, 127, 167, 191, 199, 257, 313, 347, 521, 607, 701, 1021, 1279, 1709, 2203, 2281, 2617, 3217, 3539, 4093, 4099, 4253, 4423, 5807, 8191, 9689, 9941, ...(A120334による数列) なお、67と257 (67=26+3, 257=28+1) は元々のメルセンヌ予想に含まれていたが、一方で89と107は元々のメルセンヌ予想に含まれていなかった。そのため、メルセンヌは「ある自然数 k に対して p = 2k ± 1 もしくは p = 4k ± 3 を必要十分条件として 2p - 1 が素数である」というように考えていた可能性がある(A122834)。 新メルセンヌ予想は数世紀も前のメルセンヌ予想を甦らせようという試みにも受け取られるが、そのような認識は正しくない。しかし、Robert D. Silvermanによれば、en:John Selfridgeは「新メルセンヌ予想は既知のデータに合うように選ばれており、これらに対する反例は全くあり得そうにないため『明らかに真である』」と述べている。この問いかけは新メルセンヌ予想の証明の必要性に対する興味深い考察であると言える。 Renaud Lifchitzは3つの条件のうち1つを持つことが既に知られているすべての奇素数を検定することで新メルセンヌ予想が20,996,010以下のすべての整数に対して真であることを示した。Lifchitzのウェブサイトでは20,996,010までのすべての数字の検定についてドキュメント化している。さらに、新メルセンヌ素数に関する現在の最新のニュースに関してはThe New Mersenne Prime conjectureを参照。
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